大地と作物の精霊達

 自然農法の創始者、岡田茂吉師は、『土や植物にも意志、感情がある』と言いました。それについて、英国の精神団体「フィンドフォーン」を創立したドロシー・マクレーンは、自然界の精霊とコンタクトをとることが出来たことで有名です。彼女は、精霊の助言をもとに菜園を試み、野菜など育たないような極端に痩せた土地に、信じられないほどの立派な作物を作り、専門家達を驚かせました。その内容は彼女の著書、「天使の歌が聞こえる」に、詳しく書かれています。

 私はある年にこんな体験をしました。それは、野菜や大地の精霊達と協力して作業をしているという体感であり、また、全ての生命がひとつであるというワンネスの体感でもありました。

 その年は梅雨明けが早く、初期の夏野菜の成長がゆっくりで、必要量のお野菜がギリギリで間に合う様な毎日でした。でも、面白いことに、決して不足はしないのです。今日、15㎏のナスが必要だと言う時、収穫し終わったらちょうど15㎏だったり、ししとうの注文が30パックの日に、ひと通り収穫してパック詰めしてみたら、ちょうど30パックだったりと、そんな事が毎日のように続きました。こんな事が、夏野菜だけでなく春先のエンドウ豆の収穫の時から起こっていました。ある日オクラが200本必要でした。全部収穫して数が気になったので、畑の中で数えてみたところ、なんとピッタリ200本だったのです。「またやっ!」その場で、一緒に収穫していた仲間と顔を見合わせて思わず笑ってしまいました。

 こんなぴったりの数に、一体誰が調節しているのでしょうか? そう、野菜の精霊達がそういう事をやっていたのです。ちょうどその頃、たまたま「天使の歌が聞こえる」を読んでいたものですから、人間と精霊達との協力という事を、はっきりと理解できました。このような事は、人間が心を開けば誰でも出来る事も知りました。ただ心で思うだけで、彼らには分かってしまうのです。また、作物は人間の愛情や無邪気さや喜びをエネルギーにしています。多くの人が農場に来ることは、作物にとって非常に良く、とりわけ畑の中に子供達がいることは、プラスのエネルギーが働くようです。

 私達人間は、八百万(やおよろず)の神々をはじめ、自然界の多くの精霊達の奉仕に支えられて生きています。それほど、ひとりの人間がこの世で生きていくという事は、大変な事なのかもしれませんし、また反対に、何も心配しなくても大丈夫だという事でもあると思います。私はこの事を知ってから、1回1回の食事の有難さが断然違ってきました。時々、車で自然の豊かな田舎道をドライブしているだけで涙が出てくる事があります。命の中を命に囲まれて走っているように思えるからです。

 自然農法の最大のテーマは、「生命」です。農の営みの中で、生命のプロセスを深く理解することにより、すべての生命に対する尊厳は強くなり、すべての生命が一つに繋がり合っている事を知るでしょう。私たちは感謝と喜びの中で暮らすことが出来るようになります。

 自然農法とは、「生命のお勉強」に他ならないのです。

橋本 進

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